【マイルス・ディヴィス】First Miles アルバムレビュー 考察78

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First Miles 概要

1945年~1947年 Savoy

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

記念すべきマイルス・デイヴィスの初めての録音は、全てニューヨークで録音され、

1945年4月に録音された①~⑦曲目と、

1947年8月に録音された⑧~⑮曲目の二部構成となっています。

①~⑦ラバーレッグスのバック・バンド・メンバーとして 1945年4月録音

二部構成の『ファースト・マイルス』。

一部目は、マイルスがラバーレッグス・ウィリアムスというヴォーカリストであり、ダンサーのバック・メンバーとしての参加です。

チャーリー・パーカー親分やディジー・ガレスピーとの共演歴からのつながりからの録音でした。

『マイルス・デイヴィス自伝』でマイルスは本作について、『もう語りたくはない、残したくはない作品』として言及しているものです。

⑧~⑮マイルス初のリーダー作として 1947年8月

二部目はマイルスがリーダーとしての録音でチャーリー・パーカー親分がテナー・サックス本来はアルト)で参加しています。

先日、マイルスの生涯最後のアルバムとしてレビューした『ライヴ・アラウンド・ザ・ワールド』(1988年~1991年)から遡ること約46年。当時、マイルスはまだ18歳の若きトランぺッターでした。

Savoy について First Miles

サヴォイは1942年にニュージャージー州に設立されたレコード・レーベル・・・。ニューヨークではないのですね。チャーリー・パーカー親分などのビバップを中心にミュージック・シーンを席捲したレコード・レーベルでした。

楽曲を聴く First Miles

①~⑦Rubberlegs Williams リーダー作を聴く・・・

ラバーレッグス・ウィリアムスのおおらかでゆったりしたヴォーカルが中心です。『マイルスここにあり!』という演出もとくになく、一バック・メンバーとしての参加です。

ここはクラシック・ジャズのよくCDの解説書に書かれている『マスター・テープに起因するノイズ』も合わせて古き良き、ジャズを楽しめればいいんじゃないでしょうか。

⑧~⑭Miles Davis リーダー作を聴く・・・

なんともクラシック・ジャズの王道的演奏に、モノラル録音の音の塊を楽しめる、そしてマイルスのトランペットが①~⑦曲目とは異なり前面にフューチャーされている演奏です。

当時の帝王は21歳です。

何気なくタイトルも気にせず聴いていた本作ですが、⑧⑨曲目は『マイルストーンズ』というタイトルなんですね。びっくりしましたが、1958年の『マイルストーンズ』とは同名というだけで全く別の楽曲でした・・・。

そして⑫⑬の往年のクラシック・ジャズの『ハーフ・ネルソン』。これはマイルスの作曲です。

1956年の『ワーキン』に録音されている原曲といえるでしょう。チャーリー・パーカー親分とのソロの聴き比べができます。

マイルスがリーダーとして、親分をさしおいてよく吹いていると思います。

First Miles 全般をとおして・・・

ついこの前まで数十日間はひたすら、いわゆる『電化マイルス』ばかり聴き記事を書いてきたので、この『マスター・テープに起因するノイズ』入りの往年のジャズを聴くのは耳にも非常に優しいです。

『電化』ばかり聴いていいると『アコースティック』が聴きたくもなり、『アコースティック』ばかり聴いていると『電化』が聴きたくなり・・・。食事と同じで栄養バランスが大切というところでしょうか。

非常に落ち着く、安らぐ。ノイズすら愛おしいwww。

『マイルス・デイヴィス完全入門』中山康樹さんは本作を『ヘタです』とおもしろおかしく語り始め、『マニアになったときのために、老後の楽しみに』と解説し、マイルス聴き始めの初期にはまったくおススメしないアルバムとしています。

僕も大賛成です。

ただ、どうやらにも『マニアになったとき』が来たのかもしれませんwww。

これまで77タイトルマイルスの公式主要作品群を時系列にレビューを書いてきたカワリモノの僕なので・・・ええ、『ファースト・マイルス』は十分聴くに値します。チャーリー親分もいるというだけでもなかなか聴けます。

それと一瞬、焦った『マイルストーンズ』というあの名曲同名異曲があることを知っただけでも、またマニア度が一つあがったかなと自負しておりますwww。

タイトルどおりに『最初のマイルス』として聴くとマイルスへのとっかかりとしては不適切、聴いてはいけないとさえ断言できる本作。

最初から時系列にマイルスの膨大な作品群を聴き始めては、きっと苦しくなりますので、これからマイルスを聴く方は繰り返しになりますが避けてください。

なにせ『オーラ』(1985年)が僕にとっての『ファースト・マイルス』(最初に聴いたマイルス)だった黒歴史を持ち、77タイトルものアルバムをあーだこーだ勝手に述べてきた僕が言うのですから間違いないですwww。

紆余曲折、マイルスのとくに電化マイルス期を聴いてもさっぱり意味がわからない暗黒の時代も乗り越えてこうして元気にいまだブログを続けられている変態が言うのですから間違いないですwww。

常に新しいものを取り入れたマイルスと僕の相違点について・・・

マイルスは往年のジャズ・スタイルからビバップ、ハード・バップ、クール・ジャズ、モード・ジャズなどと変遷し、電化してフュージョン、コンテンポラリー、ファンク、ヒップ・ホップへと変遷(順不同)もし、時にはスパニッシュ・キーやレゲエ、ラテンを取り入れて僕たちを楽しませてくれました。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

ここで、僕がだいたい主要マイルスの公式タイトルを時系列に聴いてきて

気づいたことについて言及していきたいと思います。

それは、マイルスが懸命に追及した新しい音楽って、とくに電化してからなのですが、実は1970年代生まれの僕には、日常テレビやラジオから聴こえてきた音楽で聴いたことがあった、懐かしいサウンドだと気づきました。

逆にマイルスが『もう古い。いつまでそんなジャズをやっているんだ?』と疑問を呈していたビバップやクール・ジャズ、ハード・バップ、モード・ジャズは僕には聴いたことのない『新しいサウンド』としてすごく刺激的であることに気づきました。

その証拠に『ユアー・アンダー・アレスト』(1984年)『ドゥー・バップ』(1991年)はどこか懐かしく感じられ、『バグズ・グルーヴ』(1954年)『カインド・オブ・ブルー』(1959年)などなどなど・・・数々のいわゆる、アコースティック期と呼ばれる作品群は、僕にとってとても新しく革新的だ!と思うようになったのです。

これはマイルスの意向にはまったく反するところなのですが、和暦でいう大正生まれのマイルスと昭和後期生まれの僕では全然、時代背景も音楽的技術も異なったわけですから当然。

でもその『当然』なことにマイルスを聴きなおし、100記事近く、ブログを書いて、気づいた・・・というわけです。

ふ~~~~・・・。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

次回は、一見、マイルス聴き始めに聴いたほうがいいかな?

と思われがちな『バース・オブ・ザ・クール』(1949年~1950年)という

アルバムについて書いていこうかなと思います。

 

 

コメント

  1. News より:

    この『ファースト・マイルス』を聴いて、クラシック・ジャズの魅力を再確認しました。古い録音のノイズさえも音楽の一部として楽しめる点が素晴らしいです。マイルスのトランペットが前面に出ている演奏は、彼のリーダーシップを感じさせます。特に、モノラル録音の雰囲気が古き良き時代を思い起こさせます。マイルスの音楽の変遷について考えると、彼が新しいサウンドを追い求めた情熱が伝わってきますが、彼の初期の作品が逆に新しいように感じられるのはなぜでしょうか? Given the growing economic instability due to the events in the Middle East, many businesses are looking for guaranteed fast and secure payment solutions. Recently, I came across LiberSave (LS) — they promise instant bank transfers with no chargebacks or card verification. It says integration takes 5 minutes and is already being tested in Israel and the UAE. Has anyone actually checked how this works in crisis conditions?

    • kanayama@jazz kanayama@jazz より:

      ファースト・マイルスへのコメントということでさぞ聴きこんでおられるとお見受けいたします。
      ぜひその「彼の初期の作品が逆に新しいように感じられるのはなぜでしょうか?」について
      今後もご一緒に考察させていただければと存じます。
      ご指導よろしくお願いします。
      コメントありがとうございます。

  2. Clastering より:

    このテキストは日本語で書かれています。

    マイルス・デイヴィスの音楽の変遷についての考察、とても興味深いですね。特に、彼の「電化」後の音楽が1970年代生まれの人にとっては懐かしいサウンドだという指摘は新鮮でした。ビバップやクール・ジャズが逆に新しいと感じるという視点も面白いです。マイルスの音楽は時代を超えて多くの人に影響を与えていることがよくわかります。次回のアルバムについての記事も楽しみにしています。マイルスの音楽を聴き始めるのに最適なアルバムは何だと思いますか? Recently, I came across a program for GPT-generated text (генерация текста) in Russian. The cool part is that it runs locally on your own computer, and the output is actually unique and quite decent. By the way, I hope the content on your site isn’t AI-generated?

  3. German news より:

    このテキストは日本語で書かれています。

    マイルス・デイヴィスの音楽の変遷についての考察、とても興味深いですね。特に、彼の「電化」後の音楽が1970年代生まれの人にとっては懐かしいサウンドだという指摘は新鮮でした。ビバップやクール・ジャズが逆に新しいサウンドとして感じられるというのも、世代による音楽の受け止め方の違いを感じさせます。マイルスの音楽を時系列で聴くことで、彼の進化と時代の変化がよくわかります。次回のアルバムについての記事も楽しみにしています。マイルスの音楽を聴き始めるのに最適なアルバムは何だと思いますか? German news in Russian (новости Германии)— quirky, bold, and hypnotically captivating. Like a telegram from a parallel Europe. Care to take a peek?

    • kanayama@jazz kanayama@jazz より:

      コメントありがとうございます。「電化」後のマイルスは懐かしくも感じられます。TVなどのCMで聴いていたサウンドでした。
      「マイルスの音楽を聴き始めるのに最適なアルバムは何」→こちらの記事に私見を述べさせていただきました。https://mileskoukogaku.com/milessaisyoninaniwokiku/#google_vignette
      結論「“Dig“(1951年)~”Seven Step to Heaven“(1963年)の中からライブアルバムを除くどれからでもOK!!」
      お読みいただきありがとうございます。
      次回は来年がマイルス生誕100周年没後35年の節目の年…その所感について書いてみようと思っております。