【マイルス・デイヴィス】Miles Davis and the Modern Jazz Giants 考察9

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Miles Davis and the Modern Jazz Giants 概要

1954年 Prestige

Milt Jacksonvib
Thelonious Monkp
Percy Heathb
Kenny Clarkds
John Coltrane(③)ts
Red garland(③)p
Paul Chambers(③)b
Philly Joe Jones(③)ds

このアルバムは基本、1954年12月24日のクリスマス・イブの録音で“Bags Groove”(1954年)と対になっていると捉えていいと思います。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

ただし、③曲目の”’Round About Midnight”だけ、いよいよコルトレーンレッド・ガーランドの登場する1956年10月のセッションとなっています

ケンカセッションではなく友情セッションだった!?Miles Davis and the Modern Jazz Giants

いわゆる、ケンカセッション』と誤解されたアルバムの、もう片っ方ということになります。

僕の持っているCDのライナーノーツにはとあるかたが『ケンカセッション』のままの捉え方で解説してらっしゃいます。そのライナーノーツの最後のところには『本解説はLP発売時のものを使用しております』と注釈もされています。

実際ケンカセッションではなく『友情セッションだった』中山康樹さん著『マイルスを聴け!Version7』のこの作品のページに書かれています。

たいへん興味深い解釈だと思い、唸りながら聴きなおしました。w

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

この解説・・・やっぱり中山さん、すごいかただなぁ・・・。

ぜひ、ケンカと誤解をされたセッションの”The man I love”を注意深く聴いてみてください。

中山さんも前述の著作の中で5曲目に入っているテイク2から聴くことをおススメされています。

というのも冒頭ミルトジャクソンのヴァイブが始まってすぐに演奏が中断されます。

その内容を中山さんは『軽く流している』という言い方をされてますが、まだそんなに重圧を感じて録音に向かっている状況にはなかったように捉えられます。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

中山康樹さん著『マイルスを聴け!』シリーズについて

僕なりのレビューを書いてみたブログはこちらです。

<The Man I Love> take1の会話 文字起こし

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

だいたいの会話を文字に起こしてみました・・・。

誰か:I don’t know when to come in. (いつ入ればいいかわからん)

誰か:Ha!…(ははっ笑)

誰か:That’ no big deal.(大したことじゃないよ)

誰か:Let’s get cut in there.(その辺で入ればいいさ!)

誰か:That’s hard. man.(それがムズいのさ、)

誰か:I don’t know when to come in, man.(…いつ入ればいいかわからん…)

誰か:Can I stop to everybody rushing?(みんな怒らないでくれる?)

誰か:Shhhh….(うしししし・・・)

マイルス:Hey, Rudy, put this on the record. (ねえ、ルディ。これも録音しといてね)

ルディ:All of it.(ああ、全部ね)

ルディとはRudy Van Gelderというエンジニア。

この人の実家のニュージャージー州で録音されたようで、とても広いリビングを改装して作ったスタジオで録音されたようです。

このかたのブログでとてもルディ・ヴァン・ゲルダーについて言及されています。とても勉強になりました。

ヴァイブの音と重なりつつ、さらに小さな音を拾ったものなので完璧に聴き取るのは難しいのですが、この文字起こしと和訳は僕の勝手な解釈です。異なるようでしたらぜひ、コメント欄から教えてください。訂正いたします。

でもこの僕なりの解釈からいけば、さらに『ケンカセッション』なるものがありえないということになると思います。

こんな会話して悩むメンバーがいてまずテイク1が録音されて、1曲目のテイク2へと進んだところが面白いですね。

で、そのテイク2の1曲目のほうの“The Man I Love”ですが順調に進んでいく素晴らしい演奏ですが、セロニアスのピアノがまだつまづいてしまいます。

ちなみにセロニアスは1917年生まれ。

マイルスは1926年生まれですから年齢的にはセロニアスのほうが先輩です。

そこでマイルスがトランペットで入って助け船を出したのか、弾くように促す音が入るわけです。

するとセロニアスはまた弾き始めます。

マイルスがトランペットにミュートをねじ込む音!!Miles Davis and the Modern Jazz Giants

そしてエンディング、テーマに戻るところでトランペットにミュートをねじ込む音も入っています。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

マイルスがミュートをねじ込む音は、CDでいうとだいたい6分29秒のところです。

『むぎゅっ』という音がありますね・・・。

僕もそうでしたが管楽器やトランペットは触ることはもちろん、あまり演奏を見たり、聴いたりしたことない人にとってはトランペットのミュートというのは馴染みがありませんよね。

こちらをご覧ください・・・。

この音って、毎回聴いていて覚えてはいましたがとくに気にしていませんでした。

これがミュートをねじ込む音と知ったのはだいぶ僕がマイルスを聴きこんだ後でした。

そしてこの音すら、僕にはマイルスのカッコよさを感じてしまいますwww。

全般をとおして・・・Miles Davis and the Modern Jazz Giants

僕の私見

これでしっかりとまとまって録音は終了しますが、セロニアスとマイルスのスタジオでの録音はこれが最後とはなってしまいます。

でも、僕はマイルスばかり聴く偏ったジャズファンですので、セロニアスのピアノはマイルスとは別に聴いたほうがいいかなと勝手に思っています。

なんだか主たる音の隣の鍵盤も弾いて所謂、『不協和音』のように聴こえるテクニックがとても多いと思われるセロニアスの奏法はまだまだヒヨッコの僕には難しく聴こえて、さらにマイルスの音ともそう相性がいいとは言いにくいなと思うからです。

決して悪いわけではなく、もっとマイルスを引き立てるピアノ奏者はこれからたくさん出てくると思うのです。

そんなわけで『ハーマン・ミュートをねじ込む音』すらマイルスのかっこよさと感じる僕は、今回も浅はかなアルバムレビューしか書けませんが、日本有数のマイルスを楽しんでいる男なのではないかとここでも『勝手に』思っているのでした。

‘Round About Night が収録されている・・・Prestigeのいい加減さもジャズ

そしてそして・・・③曲目になぜか1曲だけ、メンバーも異なり、1956年に録音されたジャズ史に残る名曲“‘Round About Midnight”があります。

これはいろいろジャズレーベルのPresitgeの都合によるところで入ったようで、ジャズというかPresitge全般にいえることですが『いい加減』(誉め言葉)ですな・・・。w

この名曲、録音時と発売時期におもしろい差があり、おかしなことになっています。

初収録 ”Collectos’ Item”1953年録音

二回目今作”Miles Davis and Modern Jazz Giants”1956年10月26日録音(Presitge)

三作目超名盤”Round about Midnight”1956年9月10日録音(Columbia)

あとからリリースされた名盤中の名盤と呼ばれる ”Round about Midnight”コロンビア盤 の録音のほうが先に録音されたものなのです。

本当にややこしい。

マイルスのミュートが入った繊細な緊張感あるトランペットから、『ブリッジ』と呼ぶそうですが、音圧が小から一気に大にかけあがる『ダッ、ダッ、ダぁ~ダ、ダーダダン!!♪』のアレンジが初レコーディングの時から大幅にアレンジされた今作は名作と呼ばれる所以です。

でも僕個人的にはコロンビア盤のほうがぜったいいい雰囲気で大好きですね。その周りを固める曲にも影響されるからでしょう。先に録音されたほうが、なんだかいいです。

で、コルトレーンレッド・ガーランドのような巨匠がいよいよ参加し始めて、ハードバップと呼ばれる目まぐるしくコードチェンジするノリノリのジャズスタイルの黄金期が始まるわけです。

あんまりこういうハードバップとか、クールジャズとか、カテゴリーにわけるのは好きじゃないし、はっきり言ってよくわからないところもあるのですが・・・。とにかくマイルスはマイルスの音楽が『音楽』の枠を飛び越えた一つのカルチャーだと思っているので、便宜上『ハードバップ』という言葉は使うこともあるとは思いますが、あまり気にしないでくださいね・・・。

 

 

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