ジャズを聴いていみたい、名前をなんとなく聞いたことがあるから、【マイルス・デイヴィス】を聴いてみようかな・・・と思い、サブスク、音楽配信サービスで聴いてみたら『え!?これがジャズなの?』とか『さっぱり良さがわからない』と感じて、聴くのを辞めてしまったことはありませんか?
今はどっぷりとジャズや【マイルス・デイヴィス】に浸かっている僕なのですが、実は20年以上前に”Aura”という1985年のマイルスのCDを、なけなしのお小遣いを使って買って、聴いて愕然としました。『あのオシャレなカフェやバーやラウンジでかかっている音楽ではない・・・?』
そして必ずしもマイルス・デイヴィスは、最初に聴くジャズとしては、簡単なものではないのでは?と思うようになりました。もっと正確に言うならば、その難しさを解決してくれる、解説してくれる、そんな人や本が近くにあればこのような問題はクリアできると思うようになりました。
そこでマイルス・デイヴィスを解説する『バイブル』とも言うべき、超便利な書籍をご紹介、ご提案していこうと思います。
かなやま
はじめて当ブログをご覧のかたは、僕、かなやまの自己紹介ページをご覧くださいませ。
【マイルス・デイヴィス】が難解な点・・・5点
まず、マイルス・デイヴィスばかり聴いてきた僕が考える、『マイルス・デイヴィスが難解な5点』を考えてみました。
- 膨大な数のアルバムがある点
- 共演するミュージシャンの数が膨大すぎる点
- ジャズにエレクトリック楽器を取り入れた点
- 複数曲をメドレーにして即興で演奏され、今、何の曲を聴いてるのか分からなくなる点
- 時系列に聴いていかないと、どうしてこういうサウンドになったか、わからない点
難解な点を解決できる【マイルス・デイヴィス大事典】があります!!
そこでこれら上記5点のわかりにくさを、しっかり解説してくれる一冊の書籍をご紹介します。
【マイルス・デイヴィス大事典】のご紹介
小川隆夫さん著【マイルス・デイヴィス大事典】です。
僕は2021年の12月にこの書籍をほぼ発売と同時に手に入れて、3ヵ月以上、毎日かかさず読みながら、マイルス・デイヴィスのアルバムを聴いて、ブログにレビューを書いてきました。
しかもこのズッシリとした重みは、所有しているだけで知的な感じも味わえますw。(重さは我が家の測り実測1053g!!)
著者 小川隆夫さんについて・・・
小川隆夫さんは、1950年生まれの音楽ジャーナリストであり、整形外科医でもあり、ギタリストでもあられるようです。1977年東京医科大卒。ジャズ関連の著作など多岐にわたりご活躍され、日本のジャズ評論の第一人者です。大事典の帯には『マイルスにもっとも肉薄した男』と紹介されていて、マイルスとの親交も深かったかたです。
『マイルス・デイヴィス大事典』でわかるようになること
上記5点の難問を解決すべく『マイルス・デイヴィス大事典』の解決できることを述べていきます。
解決① 膨大な数のアルバムを俯瞰的にわかる
マイルスがアルバムをリリースしたのは1947年頃の録音『ファースト・マイルス』から、遺作とされる1991年の『ドゥー・バップ』まで、その数は公式盤だけでもコンピレーションなどを加えれば100タイトルは超えます。一般的にも初期と後期では、やっている音楽も変化していくものですが、とくにマイルスは他のミュージシャンよりもさらに変化が大きかったミュージシャンですので、この膨大な数のアルバムをどこからどこに重点を置いて聴いていいか、わかりにくいという点があります。
839ページに及ぶこの大事典は時系列にアルバムを紹介し、さらにその曲の各々を小川さんがレビューしてくれてます。曲はタイトルをアルファベット順に記載していて、まさに『大事典』。簡単に聴いている曲のレビューを探して読むことができます。
解決② 膨大な共演ミュージシャンを五十音順に調べられてわかる
マイルス・デイヴィスは、膨大な数の作品群の中で、自身のバンドのメンバーをたいへん多く交替させて、音楽のスタイルやサウンドを変化をしてきました。作品群が膨大ですので、当然、かかわったミュージシャンの数も膨大になります。そのミュージシャンの名前や楽器パート、どの時期にマイルスとかかわっていたかを知るだけでも大変な苦労となります。
この大事典は、参加ミュージシャンやマイルスに関連したレコーディング・エニジニアやレコード会社の人物も、五十音順に紹介して解説してくれてます。
解決③ ジャズにエレクトリック楽器をとりいれていく過程がわかる
マイルス・デイヴィスは、往年のジャズに使われるアコースティック楽器(例:ベースはウッド・ベースと呼ばれる縦型のコントラバスや、ピアノなど)をバンドに、一般的ジャズ・ミュージシャンと同様に取り入れていました。が、1968年リリースの『マイルス・イン・ザ・スカイ』の頃からエレクトリック楽器をいち早く、ジャズに取り入れた先駆けの巨匠でもあります。そのスタイルは独特で、後に『ファンク』や『フュージョン』『コンテポラリー』などと呼ばれるジャンルを確立していったとも言われます。
かなやま
しかしマイルスは『ファンク』だとか『フュージョン』だとかカテゴライズされるのを嫌いました。もっと言うと、『ジャズ』と呼ばれることすら嫌がっていました。
それを理解していないで、僕のように往年のジャズを聴こうと思っているのに、いきなりエレクトリック・サウンドのマイルスを聴いては、理解ができないのは当然です。
この大事典は、アコースティック期からエレクトリック期までを時系列に変遷を語ってくれています。1タイトルずつ、丁寧に小川隆夫さんが聴きどころや、参加ミュージシャンのことを解説してくれているので、とても理解が深まります。
解決④ 複数曲をメドレーにして即興で演奏される楽曲を小川さんの解説でわかる
とくにエレクトリック楽器を積極的に採用してからのマイルスのアルバムは、タイトルが『1トラック=1曲』という構成ではなく、複数曲をメドレーで一気通貫で演奏し、『1トラック=【ライブ・ステージの1セット】』というふうに構成されるようになりました。
この頃のマイルスは曲のタイトルにも、大きな意味は持たせてなかったと言えます。ですので、聴いているこちらは30分以上にもおよぶ1曲の中に、かつてレコーディングされた何というタイトルの曲か、確かめて聴くことになりますが、それがなかなか追いつきません。
この大事典はなんの曲を含んでいるか、そんなところも言及してくれているので、たいへんありがたい解説書となっています。
かなやま
ライブでは曲と曲の間にインターバルは基本なし。ましてやMCなんてことはほぼありませんでしたし、アンコールに応えるということもありませんでした。
解決⑤ この本を片手に聴いていくとマイルスの変遷がわかる
マイルス・デイヴィスはある程度、時系列にこの膨大な数の作品群を聴いてくると、演奏スタイルやサウンドを大きく変化させてきたのか、工程を知ることで楽しさが倍増します。
かいつまんで聴くよりは、なんとなくでも時系列にアルバムを並べて聴くと、マイルスの変化が難解だったのに、それを楽しく聴くことができるようになります。
時系列に並べてくれている大事典ですが、さらにはサブスクとの相性もよいというメリットがあります。それは下記に続きます。
サブスク・音楽配信サービスをご利用のかたはとくに便利に!!
この大事典、便利な機能として、オリジナル・アルバムとコンプリート・ボックス、コンピレーション盤の解説には、該当する作品のQRコードがついていて、簡単にSpotifyかYouTubeにアクセスして聴くこともできます。
今聴いている曲について知りたいときに読むというだけではなく、先に『大事典』の解説を読んでから、聴いてみたいと思ったらその曲に手軽にアクセスできます。
【マイルス・デイヴィス大事典】はジャズファンのみならず、これからマイルスを聴いてみようというかたにもおススメ!!
この【マイルス・デイヴィス大事典】があれば、例えCDやレコードがなくとも、サブスク、音楽配信サービスでもマイルス・デイヴィスを聴いても理解が深まり、きっとマイルスの芳醇な音楽を楽しめるはずです。
各ショッピング・サイトで買えば一冊5500円(税込)しますが、ポイントをしっかりゲットできてお得です。一見、お値段も高いと驚かれるかたも多いと思いますが、他に類を見ない、圧倒的な情報量と検索のしやすさは、お値段以上の価値があります。
かなやま
再度、帯から引用しますが『空前絶後の大事典!』です!!
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