【マイルス・デイヴィス】Miles Davis At Carnegie Hall  アルバムレビュー 考察32

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Miles Davis At Carnegie Hall 概要

1961年 Columbia

Hank Mobleyts
Wynton Kellyp
Paul Chambersb
Jimmy Cobbds
Gil Evansarr
割愛

ニューヨークの有名な舞台「カーネギー・ホール」にてギル・エヴァンスのオーケストラとマイルス・バンドのコラボ・ライブ録音です。

小川隆夫さん「マイルス・デイヴィス大事典」によるとアフリカの慈善団体の収益のために企画されたライブだったそうです。知らなかった~。

ところにより、マイルスのトランペットが割れて聴こえるところもあるが、本来はレコード化する予定のものではなかったそうです。

それがやっぱり世に出さないのはもったいないデキだったのでリリースにいたったそうです。

名門 カーネギー・ホールについて・・・

ニューヨーク、マンハッタンのカーネギー・ホールと言えば、ミュージシャンも憧れる歴史的な音楽ホールです。

創立は1891年。キャパシティは2800人ほど。

カーネギー・ホール - Wikipedia

ギル・エヴァンスとのコラボについて Miles Davis At Carnegie Hall

編曲家、作曲家、指揮者であるギル・エヴァンスとのコラボは4回目にあたります。

1 1957年 Miles Ahead

2 1958年 Porgy and Bess

3 1959年 Sketches of Spain

上記3作品でマイルスはギルのオーケストラと録音しています。

今回はそのライブ盤といったところです。しかも由緒あるカーネギーです。

楽曲を聴く・・・Miles Davis At Carnegie Hall

So What を聴く

1曲目はマイルスの名曲So WhatKind of Blueから。

アコースティック楽器だけでSo Whatをまとまった人数で演奏するというこの発想だけでもマイルスとギルのアイデアには驚かされます。

初めて聴いたときの心臓にずんずんくる感じは忘れられません。

エレクトリック楽器で盛大にアレンジするなら考えられるような気がしますが、これはエレクトリック楽器がまだそうない時代の演奏ですから。

ポールのベースにレスポンスする最初のオーケストラの鋭い大音量はちょっと苦手だけど、こんなヴァージョンもいい。

全般にはマイルス・クインテットの演奏にはなるし、マイルス中心にはかわりはないです。

So What は So Whatなのだなあ・・・。

マイルスはマイルスなのだなあ・・・。

3分弱のショート版 Someday My Prince will Come を聴く

この録音と同年にリリースされた同タイトルのアルバムから。

ベースのブン、ブン、ブン、ブン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪

期待を高める冒頭から

マイルスのメイン・メロディがきた~~~~~~~~~♪

ところがマイルスがきっちりまとめてそのままエンディング・・・。

もう終わるんか~~~~~い!?

もう少しあるんじゃないの?

もう少し聴かせてくれないの?

正直最初は驚いた。

New Rhumba を聴く

アーマッド・ジャマルの作曲。

これは僕の敬遠しがちなビッグ・バンドとのコラボでもマイルスのかっこよさがギンギン伝わる演奏だと思います。

盛大なホーンセクションに負けない存在感で突っ切るマイルスのトランペットはわずか4分ほどの曲ですが聴きどころだと思います。

全般をとおして・・・Miles Davis At Carnegie Hall

ギル・エヴァンス・オーケストラとの共演は苦手分野ではありながら、ライブとなるとやっぱりおもしろい。

結局マイルス・クインテット、とりわけマイルスの演奏に耳がいってしまうのは否めないとしても、異なった一面が聴けるのはやはりマイルス・ファンとしては楽しいところです。

なんとこのライブにはアフリカ慈善活動に積極的な某ミュージシャンがハプニングを起こしていた!というエピソードが小川隆夫さんの「マイルス・デイヴィス大事典」に書かれていました。

すごいマニアなお話しがいろいろ書いてありますねぇ・・・。適いません。w

ぜひ興味をお持ちでしたら買って読まれることをおススメします。

今までのギルとの3作品ほどの神経を使って聴くようなこともなく、オーケストレーションとクインテットを短時間で楽しむ好演となっています。

ひろ~いホールでいかにも演奏されているのがわかるたくさんの拍手がまた盛り上げます。

ぜひお聴きください。

ジャケットの絵は謎のまま・・・が、謎が解ける手がかりが!!(追記)Miles Davis At Carnegie Hall

ジャケットの絵は何ぞや?

手にする前から気になっていたのがジャケットのアート・ワーク。

赤いバックに緑色のカブトムシにも恐竜にも見える謎の物体。

?のように見えるものの先にブラックでマイルスのトレードマークが横向きにデザインされているのにお気づきでしょうか???w

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

これ、けっこう笑えるのですが・・・。

ここに小川さんの解説がなかったのが大事典の残念なところでした(そんなこたぁ、どうでもいいか?w)

いつかこの謎を解けるときが来たら、マイルスとギルの共演の本当の大人ならではの楽しみかたがわかる時なのかもしれませんね!w

追記 ジャケットの絵の謎が解けてきた!!

ブログ更新後、僕の数少ないTwitterフォロワーさまのおひとりで、人生の大先輩のかたから貴重な情報をいただきました!!

なんとこのジャケットの緑のものもは象とその牙なんだそうです!!

そしてその先にある、よく見るとトランペットを吹くいつものマイルスのシルエットのマーク。これは象の牙にぶら下がっているデザインらしいのです!!

描いたのはアメリカのイラストレーターJoseph Eulaだそうです!!

Joe Eula - Wikipedia

人物まで特定できました!!

どうやらwikiによるとSketche of Spainのアート・ワークもやってるみたいですよ。

でもそんなにたくさん情報がヒットしませんね。

コンサートのチラシで象の牙に吊るされてトランペットを吹くマイルスをデザインする斬新、かつ謎のアート・・・。

ギル・エヴァンスとともにオトナにしかわからない世界ですね(十分おっさんですけど・・・)。w

教えてくださったS.D.さん誠にありがとうございました。

<(_ _)>

今後ともご一緒に楽しませてください!!

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