考察31【マイルス・デイヴィス】In Person Friday And Saturday Nights At The Blackhawk, Complete  アルバム レビュー 

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In Person Friday And Saturday Nights At The Blackhawk, Complete概要

Hank Mobley/ts Wynton Kelly/p Paul Chambers/b Jimmy Cobb/ds

1961年 Columbia/Leagcy

Someday My Prince Will Comeを録音した翌月、マイルス・バンドは西海岸へツアーに出ました。

その中の2日間にわたって行われたクラブ「ブラックホーク」で録音されたブートレグではない正式レコーディングです。

たくさんの機材が持ち込まれて収録されました(若干、マイルスはその機材の多さがお気に召さなかったようですが)。

もともとはテオ・マセロの編集が入ったVol.1、2に分けられたアルバムでしたが、無編集の4枚組のコンプリート盤を僕は持っていますので、そちらで今日は書いていこうと思います。

プラグド・ニッケルというところで行われた伝説的アルバム・ボックスを持っていますが、それと比較すると見劣りはするものの、買ったばかりの頃は4枚組のこのコンプリートにはかなりニンマリしてました。w

4CDがセットになていて、プラケースを紙ボックスに入れて保管する感じです。

ライナーノーツもなんとVol.1、2と2冊に分かれています。

すごいソニーの力の入れよう。

アルバム・ジャケットを見る

コートを肩にかけタバコに火をつけるところのマイルス・・・

それを後ろからそっと見つめている女性は妻のフランシス・テイラー

フランシスさんここに必要?って思うのは僕だけではないはず・・・。w

マイルスだけでもよかったんじゃねん?って思うのは僕だけではないはず・・・。w

Blackhawkというクラブについて・・・

サンフランシスコで当時、ジャズクラブとして人気だったブラックホーク。

1949年開業、1963年休館のようです。

マイルスはニューヨークからサンフランシスコまで車で移動したと自伝で述べています。

西海岸最古、全米でも最古のジャズクラブのひとつとのこと。

「細長い横丁の音楽付き酒場」だそうですよ。いいネーミング。w

エディー・ヘンダーソンのライナーノーツによると、ブラックホークは建物の1階にあって、ステージの大きさは幅約4.5mほどだったそうです。

音響がよいと演奏者からも評判で、ステージは優美に布で飾られ、床には絨毯が敷かれていたそうです。

天井桟敷席も用意されていて廉価にライブを楽しめる配慮もキャパも工夫されていたそうです。

とてもいいですね、こんなわいわいにぎやかそうな、でも音響もよいなんて、お酒でも飲みながらジャズに酔いしれたい・・・そんなクラブが僕の街にもあったらいいです。

MJQがマイクなしでもライブができた、というエピソードが同じくライナーノーツに書かれています。

ぜひお手元に・・・。

実況録音は正式版としてはこれがマイルスの最初のもののようです。

音響は評判のクラブでのライブ録音というところが、いかにもマイルスらしいです。

楽曲を「リラックスして」楽しめる・・・

このアルバムは4CDセット。

テオ・マセロの編集はなしの完全版ではあるが、中山康樹さんの「マイルスを聴け!」ではそこまで「完全版」というところに有難みを感じなくてもいい的なことが書かれています。

「お酒でも飲みながらきける」数少ないマイルスのアルバムとの中山さんの解説です。

僕も買ったばかりの頃、この解説を読んでしまったものですからつい、お酒を飲みながら聴くなら「ブラックホーク」とバカの一つ覚えになってしまいました。

逆に言えばブラックホーク以外はお酒を飲みながら聴くマイルスって確かにないなあと気づかされます。

いつもマイルスを聴くなら帝王の何をいわんとしてるのかに神経を使いながら聴くとでもいいましょうか・・・。

でも、このライブ・アルバムだけはお酒もあり、

そんなリラックスをして聴けるのはing四部作のRelaxin’とブラックホークくらいだと中山さんはおっしゃってます。

皆さまはどうですか???

自分のソロが終わるとステージを一旦降りるマイルスの件

マイルスは自伝の中でテナー・サックスのハンク・モブレイの演奏がつまらなくて自分のソロが終わるとステージを一旦降りるようになったのはこのブラックホークの頃からだと証言しています(ハンクさんがかわいそう)。

あの他を寄せ付けないマイルスのスタイル、床に向かって吹くようなスタイルなどはこの頃からのようです。

自身が人気になって「檻の中の動物」のようだったと形容していますが、それもいつも見られているスターだからこそのマイルスのストレスにもなりました。

アンコールには応えなかったマイルスの件

小川隆夫さんの「マイルス・デイヴィス大事典」によるとマイルスはアンコールには応えなかったそうです。

あ、そういえばライブアルバムにアンコールの声や長い拍手が切り取られた音が入っていないことに初めて気づきました。

DISC2の6曲目DISC4の5曲目のLove, I ‘ve Found Youはアンコールに応えたウィントン・ケリーの独奏とのことです。

ちょっとしたことが気になる件・・・

DISC3の4曲目、On Green Dolphin Streetなのですが、いつものようにピアノソロが美しくイントロを飾り、マイルスのソロがあります。

その後のハンク・モブレイのサックスからなのですがなんだかブレーキがかかったような、テンポがスロー・ダウンしてるような気がします。

マイルスがソロを終えたところからなので、4人の緊張感でもあったのでしょうか?

そんなに気になりませんか?

よく言えばゆったり感・・・

わるく言えばもっさり感・・・

気のせいかもしれませんが、微妙な変化なので聴くたびに気になってしまうのです・・・。

’Round Midnight の聴き比べができちゃう

マイルスの代表曲’Round Midnight コルトレーン参加のものと比べてみるとおもしろいです。

好みはあるかもしれません。

僕は断然、コルトレーンのほうに1票。

あの盛り上がる「ブリッジ」部分、音量が小から大に変化するアノ部分

マイルスのしゃくり上げるトランペットの後ろからずずっと前にでて「俺を見ろ!!」っていう感じのサックス・ソロがこない感じ・・・。コルトレーン、かっちょよかったやん!!

最後はジミー・コブのリズム・パターンも変化をつけたスペシャル版!?

これをかっこいいととるかどうかはあなた次第!!

緊張感がコルトレーンフィリー・ジョーの演奏と比較すると異なり、また今後出てくるアルバムのメンバーの演奏と比べても雰囲気が違いますね。

リラックス・・・ゆえに1曲ずつは聴かず、ながらでもいい・・・のんびり聴こう!

そんな前述の中山さんの解説どおり、リラックスしてこのアルバムを聴いてみてください。

とても楽しいです。

きっと二日間連続で、ブラックホークに来たと勝手に想像されるブラボー!ブラボー!を連発するお客さんの声が聴こえてきますが、いつの間にやらお酒も回り始めて、ご自身も「ブラボー!ブラボー!」を連発しているかもしれませんよ。w

本当にスタンダードなジャズの型を踏襲している印象です。

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