【マイルス・デイヴィス】E.S.P. アルバムレビュー 考察41

 

 

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E.S.P. 概要

Wayne Shorter/ts Herbie Hancock/p Ron Carter/b Tony Williams/ds

1965年 Columbia

ここのところ毎回、「いよいよ・・・」という言葉を使っているような気がしますが、本当にいよいよ、ウェイン・ショーターが参加したマイルス・クインテットのスタジオ録音アルバムを聴いていきます。

そして年代も1965年ということで60年代も後半に入ります。

マイルスがスタジオで録音したアルバムは前作はというとSeven Steps to Heaven(1963年)2年弱の時が流れていました。

その間、マイルスは納得のいくメンバーでレコーディングできるように過ごす日々で、ご紹介してきたようにライブ・アルバムを残しています。

ショーターが参加したライブ・アルバムのMiles in Berlinからは約4か月経っています。

一生懸命書きましたので、前回のブログで、マイルスがこの第二期黄金クインテットのメンバー各々への評価を話した「マイルス・デイヴィス自伝」の一部を僕なりにまとめてありますので、ぜひそちらもお読みいただけたら嬉しいです。

場所はロスのコロムビア・レコードのスタジオ。

大きな特徴としては、7曲で構成されていますが、すべてが初出のオリジナルで、メンバーが作曲したものです。

スタンダード・ナンバーが消えました。

アルバム・ジャケットを眺める・・・

「マイルスを聴け!」などの著者、中山康樹さんはこのアルバムを一言でいうなら「爽やか」と表現されています。

このアルバム作成へ臨むショーターをはじめ新しい風がそよぐ雰囲気、そしてこのアルバム・ジャケットも「爽やか」としています。

「晩メシ、なににする?」(マイルス)

「そうねえ、きのうはなんだったかしら?」(フランシス)

この会話は中山さん「マイルス・ディヴィス完全入門」での、このアルバムのちょっとした解説からの抜粋です。w 

こんな会話が聴こえてきそう、という中山さん作成のフィクションです。

女性は奥様、フランシスさんですね(その後離婚)。

Someday My Prince Will Come(1961年)でもジャケットを飾っておられますね。

楽曲を聴く

E.S.P. を聴く

中山さんの解説どおり、爽やかですね。

ショーター作曲です。

新クインテットへようこそ!というような感じで冒頭、始まって最初のソロをとるのは、そのショーターのts。いきなりサラっと流れますが「ドレミファソラシド♪」からのソロです(キーは違えど)。wでももちろんそれがかっこいい。

次にマイルスで、トニー少年のシンバルとはじけます。

E.S.P.というタイトルはこのブログを書くにあたり気になってしらべましたが以下のような意味の言葉です。ますます曲とタイトルが結びついてかっこいいなあ、気持ちいいなあと思います。ショーターがどんな気持ちでこの新しい環境で作曲しているか、想像できるような気がします。

超感覚的知覚 - Wikipedia

ちなみに僕のようなギターをかじってる人間はE.S.P.といえばこちらですね。

Eighty-One を聴く

bのロン・カーターマイルスの共作のクレジットです。

これも中山さん「マイルスを聴け!」に書いてあって、言われてやっとわかるのですが、マイルス初の8ビートです。

ええ。僕のようなギターをかじっていて、Jポップ、ロック・コピー・バンドをやってきた人間にはNo.New.York.とかB.BlueとかMarionetteとか(急にそっちの話w)が8ビートの曲なんですけどね。

こんなにオシャレな8ビート聴いたことなかったし、全然気づきませんでした。

なんなら言われても8ビート?これが?って感じです。w

ここまでの2曲は今までのジャズのスタイルを一部取り入れ、4ビート、ウォーキング・ベースをとりつつも、新しい浮遊感を生んでいます。

Little One を聴く

これはpのハービー・ハンコックの作曲です。

冒頭のソロはまたショーターマイルスショーターを熱烈に歓迎してたんだろうと、みなさん推測しませんか?

印象的なコードのピアノの伴奏にマイルスショーターが実にメロディアスに歌います。

繰り返すロンの太い音も心地よく、3拍子に体が自然と揺れます。

R.J. を聴く

こちらもロン・カーターの作曲。

これも今まできにしませんでしたが、小川隆夫さん「マイルス・ディヴィス大事典」によりますと「息子のカーター・ジュニアにちなんでタイトルした」そうです。

前衛的ですな・・・。

もう、全然わけわからんリズム・・・で、なのに一体感があって、きっちりまとまって・・・で気持ちがいいというこの不思議な感じ。

Agitation を聴く

これは我らがマイルスの作曲

冒頭、マイルスが息子のように愛するロン少年いきなりドラム・ソロを取らせるという新スタイル。

さあ、この曲がマイルスの新定番!数々のライブでマイルスは演奏していきます。

ロンのベースのウォーキングしはじめるとことか、トニーのシンバル・ワークとか、変化していく展開、今までのジャズにないスタイルにどんどん引き込まれていきます。

終始、ドラムスとベースが刻むリズムがなんと気持ちいい・・・。

Iris を聴く

ショーターの作曲。

冒頭からのショーターのソロのなんと作曲力の高さ・・・。

次のマイルスのソロでやっぱり持っていかれてはしまうけど・・・。

Mood を聴く

ロン・カーターとマイルスの共作。

ずっと続く心地よいロンの一定のリズムのあたたかい音にうとうととしてしまいます。

これまた気持ちいい。

そしてショーターのこれまた一定のリズムで、でもメロディアスな音色が入り、その合間を泳ぐかのようなマイルスハンコック・・・。

ごちゃごちゃ言わないで、ただ聴き入りますか・・・。w

全般をとおして・・・雑記も

マイルスショーターにとにかく花を持たせて、大歓迎していたんだろうな、とそれまで全くもって考えもつかなかった感想にたどりつきました。

きっと時系列に聴いてきたからそんなふうに思うようになったのでしょう。

全てがメンバーのオリジナルの楽曲というのもまた、新しいスタイルを模索してたどり着いたマイルスの答えだったのかもしれません。

個人的にはやっぱり、「聴いたことない、得体のしれない、わけのわからない、新しいジャズ」として初めて聴いたときには思ったもので、一体、どこからがテーマで、今、何小節目で、とか、わからなかったし、今もわからないところ多々あるのです。w

でも一つ言えるのは、「うわ~、マイルスだな~」「あ~、気持ちいいなあ~」

そしてこのクインテット、前回ブログで書きましたが、マイルスの言っていた「バンドの犠牲」なる言葉・・・メンバー各々が自分の役割に徹してバンド全体を支えている構図が見えてきます。

決して、「オレが、オレが」していないそれぞれのソロイストが、伴奏者たちと融合する、魅力のアルバムではないでしょうか?

さらにメンバーが作曲能力も高いなあと感服・・・。

とても気持ちがいい、大好きなアルバムのうちの1枚です。

今回、ブログを書くにあたり、また何度も聴きなおしていました。

リビングで一人、このアルバムを聴いていると家族が夕食の時間に食卓に集まり始めました。

それまでの音量をけっこう絞ってそのまま、聴きながら夕食を食べました。

音を小さくしたとはいえ、家族の誰からも「へんな曲だねえ・・・」とか「意味わかんない・・・」とか言われることもなく、

かと言って「いい音だね」とか「素敵な曲だね?やっぱりマイルス?」とかも言われることもありませんでした。

でもふと思ったのは、マイルスをBGMのように聴くなんて、今まで自分はやったことなかったんだなあと。

家族の時間にマイルスをBGMにするなんてありえない!と思っていたけど

それも「あり」なのかな・・・なんて。

邪道かもしれないけれど・・・。

家族との食卓での会話の合間に聴こえるいつものMood(7曲目)なんかは、集中して聴かなくてもスーっと耳に心地よく入ってきて、冬なのに、でも温かいリビングを包んでいるようでした。

ああ、マイルスを聴いていてよかったな・・・

しみじみとした、とある冬の夜の個人的エピソードでした・・・。w

おしまい。

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