【マイルス・デイヴィス】The Essential Live in Stockholm  アルバム レビュー 考察29

【PR】この記事には広告を含む場合があります

スポンサーリンク

The Essential Live in Stockholm 概要

1960年 Dragon

John Coltranets
Wynton Kellyp
Paul Chambersb
Jimmy Cobbds

Kind of Blue(1959年)のあとキャノンボール・アダレイが脱退

クインテットに戻ったマイルスバンド。

ピアノはウィントン・ケリーに。

1960年代

このブログは基本的に時系列にブートレグは除いて聴いていくのですが

僕が単純に持っているというだけの理由で、今回はThe Essential Live in StockholmというDragonというレーベルから出たブートレグについて・・・。

前回のSketches of Spain(1959年)と異なり肩の力を抜いてゆっくり聴いてブログに向かえます。

リラックス・ライブ・アルバムだなあと思います。

コルトレーン別れの6部作の一つ・・・The Essential Live in Stockholm

Sketches of Spain(1959年)のあと、マイルスはヨーロッパ・ツアーに出ます。

中山康樹さんの『マイルスを聴け!Version7』が出版された2006年現在、このツアーにコルトレーンが帯同したツアーだったその録音が6枚リリースされています。

中山さんはこれらを『コルトレーン別れの6部作』と名付けました。

そのうちの1枚だけしか持っていません。さらには本来たくさんの曲数のライブ・アルバムのようですがその中から4曲だけを厳選した一枚になっています。

マイルスが1960年春にヨーロッパ・ツアーをしたのが3月21日~4月10日

このアルバムは3月22日にストックホルム(スウェーデンの首都)で行われたライブの模様を収めています。

このツアーをもってコルトレーンは脱退します。

といっても次に聴いていくSomeday My Prince Will Come(1961年)でコルトレーンはゲスト参加するのですけどね。

『マイルスを聴け!』によると本当はコルトレーン自身のリーダー作のために辞めたがっていたのですが、マイルスが上手に言いくるめてこのツアーだけは引き連れていくことになったことが同書の中でおもしろおかしく描かれています。w

ぜひご一読を・・・。

楽曲を聴く The Essential Live in Stockholm

So Whatを聴く

1959年Kind of Blueより。

これがですね、他の別れの6部作がどうなのかはわかりませんが、コルトレーンが吹きまくってるんです。

もう脱退をすることがわかっているせいでしょうか?

本来やりたかった自分のリーダー作への情熱でしょうか?

本当にブロウしまくり・・・。

マイルスのバンドなのに・・・という気がします。

しかしこれはこの瞬間の演奏ですからね。

これはまた楽しいです。

On Green Dolphin Streetを聴く

1958年 1958Milesより。

ウイントン・ケリーとリズム隊のリズムがとても軽快で身軽になれるような気がします。

All Bluesを聴く

こちらもコルトレーンが吹きまくりw。

ちょっとこれはどうかな?というブヒブヒ感を繰り返すところもあり(コルトレーン・ファンのかた、申し訳ありません)、微妙なところはあります。w

ウィントン・ケリーのピアノがなかなか抑えるところをしっかり押さえていて素敵です。

とにかくマイルスがやっぱり、どれだけコルトレーンが吹きまくっても最後はもっていくのですけどね。

Walkin’ を聴く

1954年 Walkin’ より。

リチャード・カーペンターの作曲というところは以前ブログに書いたところで驚くところですね。

あの熱いオープニングを飾った曲もこのクインテットではマイルス親分を引き立てる。

コルトレーンもやはり吹きまくっているが、帝王は帝王です。

全般をとおして・・・The Essential Live in Stockholm

たった4曲ながら60分以上になる、題名どおりエッセンスをつめた好ライブ・アルバムとは思います。

やはりコルトレーンが脱退することからの影響か、マイルス以上に吹きまくる感が強いのですが、これはこれでしょう。

コルトレーンが名作My Favorite Thingsを録音するのはこのライブから約半年後の10月です。こちらも吹きまくりですねw。

この力強さはマイルスのバンドの一員ではなく、やはりリーダーなるべくして脱退を決意していたのでしょう。

やりたいことがはっきりしていたことが、このライブ・アルバムからも伝わってきます。

マイルスは人間的にもコルトレーンのことが好きだったことは自叙伝に書いてあります。

薬物には困っていたようですけどね。

僕はコルトレーン6部作のうちのたった4曲しか持ち合わせていませんが、これまた老後の宿題になりました。いつか全部聴いてみようと思います。

リラックスして聴けたアルバムなので、マイルス自叙伝でこの頃の背景やマイルスの気持ちを再度、この後読んでみたいなと思います。

今夜のブログはゆえに短めに・・・。

最後までお読みいただきありがとうございます。

最後のThe Themeの万雷の拍手を聴きながら・・・。

 

 

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

『マイルスを聴け!』シリーズと著者の中山康樹さんについて

僕なりの熱い記事を書きました。

こちらをご覧ください。

コメント