超々名盤につき2回に渡って書くことになってしまいました。
かなやま
前回の“Kind Of Blue”(A面)レビュー記事はこちら・・・です。
今回はアナログ・レコードでいうB面を聴きます。
4 All Blues を聴く
マイルスの作曲。
ブルース形式ながらふっと力が抜けてしまうような癒しもある曲だと思います。
ライトスピーカーから聴こえてくるキャノンボールのアルトサックス・・・レフトスピーカーから聴こえてくるコルトレーンのテナーサックス・・・エヴァンスのテロテロテロテロテロ・・・・・・・・・・・・・・・・・wずんずんずんずん・・・・・・ポールのベースに・・・ジミーのシャッカシャッカシャッカ・・・・・・・・・♪
このイントロ。
マイルス親分のために子分たちが一つのゴールに向かって土台を造っていてそこにのってくるテーマのメインメロディの親分のトランペットがのっかってくるという構造・・・。
ああ、なんて気持ちのいいブルースなんだろう。
このセクステットのバージョンでも十分なのだが、割と最近手に入れた”the complete live at the Plugged Nickel”(1965年)でのこの曲は、メンバーが違えど、やっぱり親分を支えるデキのいい(しかも超一流)子分たちがあって、親分を超かっこよく決めることに目的がある、と勝手に思っています。
疾走感がこの2ヴァージョンでは全く異なりますが『マイルスを輝かせる』という意味ではまったく共通しています。
意外に小川隆夫さんは『マイルス・デイヴィス大辞典』で、前曲の「『ブルー・イン・グリーン』のあとでは影が薄い」とおっしゃってることに驚きます。
ひとそれぞれですね。僕なんかはSo Whatと同じくらいこの曲は好きです。
かなやま
“All Blues”の聴きどころはイントロ!と僕は断言しちゃいます。
5 Flamenco Sketches を聴く
マイルスの作曲。
次回とりあげるギル・エヴァンスとの『スケッチ・オブ・スペイン』につながるスペイン・ネタ、スケッチ・ネタなのでしょうか。
小川さんの大事典によるとこの曲はスパニッシュ・モード(スペインの音階)だとのこと。
下のバーチャル・ピアノで上記サイトの音階を試してみてください。あ、確かにこんな響きでマイルスの旋律は吹かれてるかもって思えますw。
僕はこの曲はマイルスの曲の中でも最高に好きな曲の中の一つ。実は『フラメンコ』ではなく『フラミンゴ』と勝手に読み間違えてこの曲にいつも浸っていましたw。
美しいピンク色の羽を休めているフラミンゴの群れが湖のほとりにいるような景色、そんなところをスケッチした絵画のような曲だと勘違いしていましたw。
後ほど『フラメンコ』と気づき、あのスペインのフラメンコだったのかと気づきましたが、いろいろ検索するとそんな誤りでもないようです。
『フラメンコ』は『フラミンゴ』に由来しているという説もあるようですし、そんなに大きな間違いではないようです。
ですのでこのまま僕はいつものように勝手にフラミンゴ・スケッチで参りますw。音の一つひとつが癒されますし、気持ちがいいです。
Kind of Blue 全般を通して・・・
名作ってのは語るものではないですね・・・。難しすぎる・・・。このブログを書くのにかなり時間を要していますが、ほぼずっとヘッド・フォンで繰り返し聴きっぱなし・・・。でも飽きがこない。
個人的には中学生の頃聴いていたBOOWYのLast Gigs以上に聴いているかも・・・(比較対象がそこ?となりますが・・・Last Gigsも死ぬほど聴いたw)
アメリカ盤のKind of Blueはジャケットが異なったり、”Making of Kind of Blue”なるブートレグが出ているようですが、その辺を研究するのはこのブログが終わる老後の楽しみにとっておこうと思います。
てゆうかだんだんあとまわしにする『老後の楽しみ』シリーズが増えすぎて、宿題が溜まってる気分です・・・。汗
驚愕ですがカセットテープが万単位で(中古で2022年1月現在3万8千円!!下記リンク参照)Amazonで売られたり、アナログレコードの盤にマイルスの写真が印刷されているもの、ゴールドディスクのCD・・・様々な形態で販売されていますね。
それぞれのKind of Blueがあるのですね。
最後に・・・Kind of Blue はマイルスやジャズの聴きはじめのかたにおススメできるのか?の件・・・
この超々名盤すぎるあまりに、ジャズを聴きはじめやマイルスを聴きはじめのかたにKind of Blueをおススメするのか?よくネットやそれ以外でも議論されていますね。
中山康樹さんは『マイルスを聴け!』の中では『20世紀のジャズが到達した最高峰』としながらも聴きはじめにはおススメしないと断言されています。
『もったいなさすぎる』そうです。「『モーニン』に毒され『テイクファイブ』や『レフトアローン』に浮かれた耳にこの芸術がわかってたまるか」だそうです・・・。(そこまで言うか・・・笑。ともおっしゃってますけどね)
天国の中山さん、確かにそうですね。そうそう、わかってたまるか・・・。
これだけ僕も聴き倒して聴き倒してほれぼれとして1曲たりとも、1人のメンバーとも異なったら違うアルバムになっていただろうと思うこの名作。わかってたまるか・・・ですw。そう簡単に聴いてくれるな・・・。そう思うのは当然です。
でもこの芸術が今や、手軽に高音質で聴けるようになった時代。マイルスが20世紀の巨匠であるのに、ルーブル美術館やMoMAのようなところに行かなくても触れられるとってもいい時代になったのです。
人間の長いようで短い人生でマイルスに触れずに終わる人生って、それこそ『もったいなさすぎ』やしませんか?ね?
まず触れてみる・・・そこで琴線に触れれば繰り返し聴き、大音量になり、音質にこだわり、アナログで手に入れたり、自分のように背景や歴史に興味を持って聴くようになる・・・こんな楽しみこそジャズじゃないでしょうか?
けっこう聴きはじめにKind of Blueはおススメしないという意見が多いですが、こんな気持ちのいい、理屈なしに、繰り返し聴ける『たった5曲』のアルバムはなかなかないのではないでしょうか?
1曲1曲が、さらには1音1音が、まるで色も筆数も最低限で少なく、余白がたっぷりとられた簡素な水墨画のよう・・・
そして帝王がすべて作曲している5曲というところも、超名作に近づける手段ではないでしょうか?
こんな正解なんてない議論、面倒な議論。この面倒くささがジャズであることをぜひ、”Kind of Blue”をとおしてジャズ聴きはじめのかたに触れてほしい・・・
かばやま
Kind of Blueから始めるジャズもいい!!悪くない!!
勝手に今日も論説して終了します。最後まで、2回に分けてお読みいただきまして、本当にありがとうございます。
<(_ _)>
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かなやま
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