Collectors’ Item 概要
1953~1956年 Prestige
Sonny Rollins | ts |
Charlie Parker | ts |
Walter Bishop | p |
Percy Heath | b |
Philly Joe Jones | ds |
Tommy Flanagan | p |
Paul Chambers | b |
Art Taylor | ds |
かなやま
今回の個人的思うポイントは以下の3点
チャーリー・パーカー親分がasではなくテナー・サックスで参加・・・Collectors’ Item
かなやま
とくに4曲目まではマイルスの親分チャーリー・パーカーがasではなくtsで参加しています。
かわらず薬物依存で苦しい中ではあるけれど、『マイルス・デイヴィス自伝』を読んでもなかなかパーカーともいざこざを起こしているようですが、よい録音が全般にも聴けます。
ジャケットのアートワーク・・・Collectors’ Item
お酒の並んだ意味深なアルバムジャケット・・・。パーカーのレコーディング中に飲んだお酒のボトルでしょうか?w(なわけない)でも『マイルス・デイヴィス自伝』によると相当飲んでたらしいです。
前回紹介の“Miles Davis and Horns”(1951~1953年)のアート・ワークよりずっといいですwww。
ソニー・ロリンズとの共演・・・Collectors’ Item
ソニー・ロリンズはムショ暮らしから解放された直後だったそうです・・・。
パーカー親分だけではなくこの頃のマイルスの周囲の演奏者もほとんどが薬物依存だったようです。
なので『ツイン・テナー・サックス』なんて奇妙な編成での録音もあります(①~④曲目)。
マイルスはパーカーのことをこの時代頃から軽蔑してみることも珍しくはなくなってきていることが『マイルス・デイヴィス自伝』からも読み取れます。
それでもパーカーの演奏はやはり素晴らしいものがあったとマイルスは語っています。
マイルスにとって初の名曲Round Midnightの録音・・・その他楽曲について
なんといっても名曲”‘Round Midnight”が初めてマイルスによって収録されたアルバムでもあります。
この名曲はセロニアス・モンク(p)が1940年頃に作曲したジャズ・スタンダードです。マイルスの代名詞的楽曲なのでマイルスの作曲かと思っていました・・・。
マイルスの超有名アルバム”Round about Midnight”(1955年)に録音されたほうをまだお聴きになってないかたはとても幸運だと思います。まずこのバージョンを知るということで、より1955年録音のすばらしさが際立つと思います。
アレンジがとにかく変わります。有名なあの、「小→大」への転換の部分
『ダッ、ダッ、ダ~ダ、ダ~アダ!♪』がない今回のバージョン・・・。
マイルスの後ほどのアレンジ能力、音楽指揮能力を感じる好例だと思います。
5曲目以降は前半から3年後くらいの録音で急に音もその後の録音状態にも近くなっていきます。
マイルスのトランペットもミュートが使い始められ、スモーキーな音色がグッときます。
大好きな音色です。⑦曲目の“In Your Own Sweet Way”も美しいですね~。
薬物依存の中とはいえ素晴らしい演奏。前述の”Round about Midnight”など、この時代以降のマイルスの突出した作品群への足掛かりになったアルバムでしょう。
まさ『コレクション』しておきたい『アイテム』です。
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