【マイルス・デイヴィス】Miles Smiles  アルバムレビュー 考察43

 

 

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Miles Smiles 概要

Wayne Shorter/ts Herbie Hancock/p Ron Carter/b Tony Williams/ds

1966年 Columbia

前回のスタジオ録音のアルバムはE.S.P.で、それから1年8か月が流れ、本作がリリースされました。

6曲42分ほどの、コンパクトな、でも様々な試みをした記録をしていて、とても興味深く、すばらしいアルバムです。

所謂、「ショーター四部作」2作目にあたりますが、僕がいろいろの書評やネットでの雑談記事など目にしている限り、これらの四部作の中で「マイルス・スマイルズが一番好き!」なんて言うと、たいてい「この人マニア~」って言われる、通好みのアルバムかと、僕は思っています。

ましてや、マイルスのアルバムの中で本作が、「ワタシのマイルス・アルバム・ベスト3に入るわ~」なんて言ったら、きっと尊敬の念で見られること、まちがいなし(個人的見解)。

1年8か月ぶりのスタジオ録音ですが、マイルスたちはなにをしていたか、というと、前回記事にしましたプラグド・ニッケルのライブのように、ライブ活動はしていたようです。

さらにマイルスが肝臓の調子が悪かったこともあり、コンディションがよくはなかったと自伝では語られています。

Miles Smiles というタイトルとジャケットを勝手に考察する・・・(アホな仮説ですw)

四部作のうち、収録されている曲の中のタイトルをそのまま、アルバム・タイトルとしていないものは本作だけとなります。

1 E.S.P(1曲目)

2 Miles Smiles

3 Sorcerer(定冠詞はつきますが4曲目The Sorcerer)

4 Nefertiti(1曲目)

本作は、収録されている6曲どれもなかなか、それまでのジャズの概念からさらに離れ、独創的な楽曲ばかりとなっています。なぜ、どれか1曲を、アルバム・タイトルとしなかったのでしょう?

これは僕の勝手な推察にすぎませんが・・・

マイルスは「マイルス・ディヴィズ自伝」の中でも「マイルス・スマイルズ」について、「オレ達が一生懸命新しいことを求めて、手をのばしていることがわかるはずだ」と述べています。

そう、クインテットはかなり前作のE.S.P.からもさらに発展させて、新しいことを取り入れていたのです。

ですから、どうしても1曲これ、というタイトルをつけられなかったのではないか?と思います。

そこでじゃあ、なんで「マイルス・スマイルズ」というタイトルになったのか?

またまたこれも、僕の勝手な推察になりますが、“Smiles”の頭の”S”を取っ払ってみてください・・・。

ほら、“miles”になるでしょう?w

案外、これお気づきではないかた、多くないでしょうか?

ましてや帝王はそんなに、いつもスマイルしているイメージは皆さまもないですよね?w

マイルスがスマイルなんて、本当はあまり結びつかないです。w

そう、ジャズ全般にも言えることなのかもしれませんが、けっこう曲のタイトルなんて適当につけられているものです。

So Whatマイルスの口癖とか、曲のタイトルがないなんておかしいと言われたマイルスが“So What?”(それがなにか?)と答えたから(諸説あり)・・・というタイトルの由来のように、あまり意味なんて持たせていなかったのだろうと・・・。

で、いつかはMilesにsつければsmileになるぞ!って気づいたマイルスなのか、コロムビアか、メンバーか知らないけれど、“Miles Smiles” ってタイトルをいつか使おうと思っていて、本作でここぞとばかりにタイトルにしたってのが僕の勝手な推察です。w(どうでもいいですか?w)

村上春樹さんなんかは、マイルスのことを「マイルズ」と呼びますし、正しい発音はどちらかというと濁るほうが正解なのかもしれません。

「マイルズ・スマイルズ」で完璧に韻を踏んでいますから、より言葉遊び的にも、詩的にも、魅力あるタイトルだと思います。

(勝手に仮説を立てて遊んでみました。きっと、ちゃんとした意味はあるのでしょうw)

だがしかし、だがしかしですね・・・このアルバム・ジャケットなのですが・・・

マイルスをこれだけどアップにして、さらには切り抜いたかたちで、ただでさえスマイルを普段しない帝王を、かっこよくデザインできると思ったのでしょうか?

もう少し、ましな写真や、切り抜きではなく引いた写真を使うなど、できなかったのでしょうか?

このスマイルの切り取り方だったら、いくら、お美しい、石原さとみさんだったとしても、アートの面からはあまりよろしいとは言えないのではないでしょうか(勝手な意見w)?

で、“Satomi Smiles”ってタイトルで新作写真集が出たとしても、どんなもんでしょう?(それはそれでアリ?w)

少なくとも、イカツイ帝王の、どアップでやりますか~?って話です。w

楽曲を聴く

Orbits を聴く・・・

「軌道」という意味だそうです。

1曲目を飾るにふさわしい、1年8か月ぶりのレコーディングのファンファーレのように、マイルスとショーターがユニゾンで歌い、マイルスがさすがのソロを聴かせます。

ハンコックのソロ片手シングル・ノートで和音がありません。

ショーターの作曲です。

ちょっと不思議なテーマのメロディですね。

Circle を聴く・・・

こちらはマイルスの作曲の優しいミュートが聴ける、バラードと呼べる部類と思われます。

本作でのマイルス作曲の楽曲はこれだけです。

それにしてもマイルス然り、ショーターにせよ、ハンコックにせよ、メロディアスに決めてくれますね。美しい。

最後のマイルスのダミ声・・・聞き取れるかた、教えてください。追記させていただきます。

Footprints を聴く・・・

ショーター作曲

ショーターの1967年「アダムズ・アップル」(Blue Note)でも録音されているそうです。

印象的で怪しげなメイン・テーマのメロディ

繰り返されるリフを奏で続けるロン・カーターのベース

新しく妖艶な楽曲です。

一番頭に残る曲ではないでしょうか?

トニーのドラム・ワークが素晴らしい。

Dolores を聴く・・・

「ドロレス」と読みます。

ショーターの作曲。

ショーターのいとこの名前からとられたとのことです・・・やっぱり、タイトルはけっこうなんでもアリ!?

これもトニーが静かにではありますが、熱く熱くたたいてます。

小川隆夫さんの「マイルス・デイヴィス大事典」によると「曲のフォームは8-8-6-8+8小節で」・・・よくわかりませんw。またいつものように、ロストしております。w

とても斬新なことを試しているということは間違いないようです。w

やっぱり持っていると知的になれたような気がする一冊です!!www

Freedom Jazz Dance を聴く・・・

これ、このアルバムの中で僕一番好き♡

エディ・ハリス(ts)の作曲。

中山康樹さんによると「B級サックス奏者」(「マイルスを聴け!Version7」より)だそうですが、そこまで言いますか、中山さん!?

これもマイルスが有名にしてしまった数々の楽曲の中の1曲です。

続くトニーの三連符のドラム・ロールに、様々なおかずが入ってファンキーですね!!かっこいい!!ロンがひたすら土台を太くして、ソロイストが遊ぶ感じ。

やっぱりハンコックのピアノはシングル・ノート、指一本

中山さんもこの曲がお気に入りと同意見でうれしいかぎり・・・。w

Eddie Harris - Wikipedia

Ginger Bread Boy を聴く・・・

ジミー・ヒース作曲なんですね。

ジミー・ヒース - Wikipedia

やっぱりシングル指1本を貫くハンコックのピアノ

和音からの脱却というマイルスの新しい表現を聴ける1曲。

これも最後の帝王のダミ声・・・。聞き取れないです。

どなたかなんと言ってるのか、教えてくださいませ。

【その後追記】

僕のTwitterの、数は少ないけれどいつも明晰で優しいフォロワーさまのおひとりから最後のダミ声の文字起こしをいただきました。

“Teo, play that again! Teo? Teo? Teo?

Teo, play that again for us!”

「テオ、もう一回やってくれ!テオ、テオ、テオ、もう1回やってくれ!」

なんだか、テオ、テオ・・・と繰り返しているのが呪文のように聴こえましたが、コロムビアのプロデューサーのテオ・マセロに進言していたところなのですね。

本当に、マイルスは音楽に真摯に積極的だったこと、妥協は許さなかったことが、ここからもわかりますね。

演奏の余響の中、まだ録音しているというのに、すぐに発言。こんなに良いテイクなのに・・・。

フォロワーさま、教えていただきまして、誠にありがとうございます。<(_ _)>

全般をとおして・・・

新しいことを取り入れたアルバムというマイルスの言葉どおり、皆さまはいくつ、マイルスのいう新しいことを発見できるでしょうか?

前作、E.S.P.がさらに進化したフリーなスタイル。

これら四部作の目玉は僕にとっては、トニーのドラム・ワークだと思ってます。

この後の2作ではさらにさらに進みますが、フロント楽器のトランペットとテナー・サックスが繰り返しリフ、メイン・テーマのメロディを演奏するのが、まるで伴奏のようになり、トニーがソロイストを常に務めているような、そんな熱いドラムスに聴き入ります。

マイルスがトニーに年齢に関係なく、重要な役割を与えていて、それにトニーもしっかり応えることができた、そんな記録だと思います。

こんなにドラマーに焦点を当てて楽曲を聴いているのは、僕にとっては初めてです。

それといつかのケンカ・セッション説を連想させるハンコックのピアノがマイルスのバックでは聴こえない点、指1本弾き・・・もうマイルスったら制約をつくるのが好きなんだから・・・。w

でもそれが新しくて高度です。あとは聴き手の僕がしっかり、どこまで付いていけるか?の大問題ですw。しっかりさらに聴きこんでいきたいものです。ハイ。w

僕のレビューはいつも、音楽的なことから脱線もしますが、楽しんでいただけてますでしょうか?

よければTwitterやコメント欄からご指導、ご意見、ご感想をお聞かせくださいね。

素敵な3連休と、トニーの三連符(5曲目)をお楽しみください。w(僕は仕事・泣)

本日も拙いブログにお付き合いいただき、誠にありがとうございます。

<(_ _)>

追記:小川隆夫さんのインタビュー動画が新しく公開されてました。

小川隆夫さんのインタビュー動画が新しく公開されてました。

小川さん「マイルス・デイヴィス大事典」を著されるにあたり、時系列にマイルスを再度、お聴きになったと語っておられます。

僕のブログは小川さんの足元にも及ばないですが、時系列に聴きなおすと新たな発見があったという点は共感できました。

とても興味深い動画の第一回目、ぜひご覧くださいませ。

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