【マイルス・デイヴィス】Blue Moods アルバムレビュー 考察81 最終回

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筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

こちらの記事に書かせてもらいましたが、ひととおりのマイルス公式盤主要アルバム80タイトルを好き勝手に書いていく当ブログは本作を持ってコンプリート。この後どうするかは、後々記載してまいります。

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Blue Moods 概要

1955年 Fantasy

Britt Woodmantb
Teddy Charlesvib
Charles Mingusb
Elvin Jonesds

時系列に書いていきた当ブログ。しかし本作『ブルー・ムーズ』を書き忘れて飛ばしてしまっておりましたw。

地味過ぎたのか?ただ単に僕の老化か?リリース当時はFantasyというレーベルからのリリースだったためか?

ブログ記事を重ねる行程の中で飛ばしてしまったことに気づきはしましたがスルーしておりました。最終回の『考察81』において、本作について書いていきたいと思います。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

たった4曲、30分もない本作。それには音楽的要素を除いた、人間模様を垣間見える理由があり、【マイルス考古学】的には楽しいので、そこを書いていきます。

たった27分 4曲入りの問題作になった理由 Blue Moods

①低音を補強するため

小川隆夫さん著『マイルス・デイヴィス大事典』を手に入れて初めて知ることはたいへん多いですが、その中の一つ・・・。12インチ(30cm)のレコードにたった27分ほどしか収録がなく、旧来の10インチでも可能な収録時間らしいです。

大きな盤に制作することにより、レコードの溝を広く深くすることができます。これは低音の向上を狙ったものと小川さんは解説しておられます。

また10インチがレコードの主流だったのに対して、本作あたりから12インチが主流になりつつあることを見込んでの盤の大きさ選択だったとも解説されています。

②マイルスが借金返済にあてたため・・・orz

このレコード制作は実はチャールズ・ミンガス(b)がホスト役となっている・・・こう考えられるのが一般的です。

なんと薬物などにお金を使いまくるマイルス・・・ミンガスに借金をしていました。一説によるとエルヴィン・ジョーンズ(ds)も借金をしていて、全然返す様子がない。そこで借金の『カタがわり』として本作が制作されたというのです・・・。

なんと小笑いできるヒューマン・ドラマwww。

その借金額は知る由もないのですが、それがこの27分ほどの金額で見合ったのでしょう。ですので4曲というのも納得がいきますし、選曲も全てジャズ・スタンダード・・・。

このレベルのミュージシャンなら綿密な打ち合わせも練習もなく、まがりなりにも演奏できちゃうわけです。

このことについては中山康樹さんが『マイルス・デイヴィス完全入門』の中で、いつもの愉快なタッチでこの模様を書いておられますので、ぜひお手に取って読んでみてください。

このような理由から中山さんの『マイルスの(とくに入門初期に)聴いてはいけないシリーズ』に見事、選定されている本作なのでありましたwww。

それでもBlue Moods を聴く理由・・・

しかし、本作をディスるばかりでもありません。

前述のように中山康樹さんからも『聴いてはいけない』アルバムとして選定されています。

借金のカタがわりという少々、情けない理由もあります。

冷静で温和な(お会いしたわけではありませんが動画や書籍を拝見する限り)小川隆夫さんですら『マイルス・デイヴィス大事典』『マイルスのあずかり知らぬ人選で吹きこまれたこのアルバムが面白いとは思えない』と解説。

『明確なコンセプトがない』『集まった5人の音楽性がばらばら』『焦点がぼやけた演奏ほど冗漫なものはない』『演奏に緊張感がない』等々・・・散々ですwww。

でも小川さんは①曲目『ネイチャー・ボーイ』の解説において特筆すべき点が、この録音からマイルスがハーマン・ミュートを使うようになった』という点です(『収穫がほとんどない』と一度軽くディスってからではありますが)。

カップ・ミュート使っていたのと異なるより繊細な音色・・・皆さまお気づきでしたでしょうか?

以下の動画の1分22秒あたりから手っ取り早くカップ・ミュートとハーマン・ミュートの音色の違い超短時間で比較して聴くことができますので、どうぞご覧ください。

Blue Moods 全般をとおして・・・本作を書き忘れたけど、書いた理由・・・

マイルスの主要レコード会社4社でもなく、派手さもなく、このままブログにしなくてもよかった本作・・・。でもやっぱり書こうと思ったのは、『ハーマン・ミュート』をマイルスが使うようになったという点もありました。

しかし、それ以上に『ブルー・ムーズ』『借金のカタがわり』という、なんとも普通の日常にありそうな、一般的ヒューマン・ドラマがそこにあったから僕には興味深かったのです。

本来、ジャズってのはそんなに堅苦しくなく、リラックスしていて、日常的で、ごちゃごちゃしてて、行儀がよいものではなく、ある意味言葉は悪いですがヤクザなところもあり、それがかっこよいと思います。

本作というより当ブログはそんな、行儀の悪い感じがかっこいいジャズを僕なりの視点で書いていきたいなと思っていました。

ですので、本作は帝王のトホホな人間的な部分も書いて皆さまと共有し、楽しみたいと思いました。

『ブルー・ムーズ』は、スルーしてもよかったのに、最終回にやっぱり書こうかな・・・となったわけです。あえて書かなければならなかったのです。

初めて買ったマイルスのCDが『オーラ』(1985年)で意味が分からなく、トホホな思いをした僕・・・。

それからまた35年以上経過して、こんな80タイトル以上もマイルスだけについてアルバムを時系列にレビューしてきた変態wブログの最終回ですら、そんなトホホなアルバム『ブルー・ムーズ』で〆るという、トホホな僕、かなやまですwww

最終回とはいえ、当ブログは続けます

マイルスの公式盤主要アルバムを時系列に記事に書く当ブログは一旦終了しますが、今後もマイルス・ディヴィスについては記事を書き続けていこうと思います。

まだまだ、書きたいことはたくさんあります。聴けば聴くほど、なにかをブログに書きたいと溢れてくるものがあります。

僕にはマイルス・デイヴィスは帝王であり、カリスマであり、アイドルであり・・・。生涯をかけて探求し、楽しむと思います。

自己紹介欄にも書いてありますが、いつかはマイルスを訪ねて、アメリカを旅してみたいと思っています。

一旦はここまで約五か月、100記事以上、おつきあいいただき、誠にありがとうございました。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

今後とも、ジャズや音楽についてぜひとも、皆さまと共有させてください。

どうぞよろしくお願いいたします。<(_ _)>

コメント

  1. 名無し より:

    オリジナル盤はチャールズ・ミンガスが設立したデビュー・レコードです。
    後にファンタジー・レコードへ吸収されたので、ファンタジー盤は再発盤ですね。
    またデビュー・レコードの記念すべき12インチLP第1作目でもありました。

    2ホーンクインテットでピアノの代わりにヴァイブを入れた珍しい編成、個人的には好きな作品です。
    デイヴィス自身は「熱気のない演奏」と語っていますが、逆に気の抜けた珍しい彼の演奏を聴くことの出来る作品。
    リラックスして聴けるので好きですね。

    • kanayama@jazz kanayama@jazz より:

      名無し様→こんにちは。コメント本当にありがとうございます!!久しぶりにコメントがついたのでうれしいです。ミンガス設立みたいなことを語ってない当ブログのクオリティの低さにもかかわらず優しいコメントでありがとうございます。

      このアルバムがリラックスして聴けてお好きだとのこと…真のマイルス者かジャズ愛好家でらっしゃるのでしょうね。

      今後ともご指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。