【マイルス・デイヴィス】Agharta  アルバムレビュー 考察63-3

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Agharta 概要を自分なりに・・・

『アガルタ』について、1回目2回目と書いてきました。今日は『アガルタ』について最終回のブログ記事となります。

いつものような自分なりのレビューを、いつもの勝手な感じで書いていこうと思います。僕の入る余地なんてない、超大作、超名盤なのです!!

ささやかな音楽装置は
ヴィンテージのデンマーク製のローボードの上に。
スピーカーは既に廃盤のDALI社Zensor‐1。

パーソネルについて・・・

Miles Davis/tp,org Sonny Fortune/ss,as,fl Pete Cosey/elg Reggie Lucas/elg

Michael Henderson/elb Al Foster/ds Mtume/per

ソニー・フォーチュン以外は、『ダーク・メイガス』(1974年@ニューヨーク、カーネギー・ホールのライブ録音)に参加したメンバーです。たくさんのミュージシャンが出入りして、なかなか覚えられないですね。“Miles’s Stock Company Players”と呼ばれたとマイルスは自伝でも語っています。

1975年2月1日(16:00~) 大阪フェスティバル・ホール Columbia

DISC1が昼の部の前半 DISC2が後半となっており、次作『パンゲア』が夜の部(同日19時~)となっています。

夕刻、灯りが燈るスピーカーまわり。

日本先行発売だった件

1975年8月に本作は、またまた日本で先行発売されました。『プラグド・ニッケル』(1965年録音1976年発売)『ブラック・ビューティ』(1970年)なども日本先行でしたが、当時の日本でのマイルス熱がすごかったことを物語ります。

邦題『アガルタの凱歌』【凱歌(ガイカ)=戦勝・凱旋(がいせん)を祝って歌う喜びの歌】として日本ソニーが企画して発売されています。

マイルスが一旦、引退状態になるのは1975年9月からですので、本作の発売時、マイルスはぎりぎりの現役だったことになります。

DALI社Zensor‐1のツイーター部分

ジャケット・アートを眺める・・・

横尾忠則さんによる、たいへん評価の高いジャケットです。サンタナ『ロータスの伝説』でも有名なかた。プレイヤーはなくても、アナログLPを手に入れる価値は十分の美しいジャケットです。

アメリカ盤は異なるジャケットとなっていて、ジョン・バーグというコロムビア社のデザイナーによるものですが、先発の日本盤の横尾氏のデザインの影響を受けているのは間違いないですね。

ウィキペディアにはたいへん詳しく、このアートに関する記述がなされていますので、リンクを張っておきます。

楽曲を聴く

僕の持っている日本盤CDは下記のようなインデックスになっています。

DISC1 truck-1 Prelude(32分31秒) truck-2 Mayisha(13分9秒)

DISC2 truck-1 Interlude/Theme From Jack Johnson(60分56秒)

Prelude を聴く・・・

『プレリュード』『前奏曲』の意味。

マイルスのオルガンが意味深そうです。

ご紹介してきたライナー・ノーツの影響で、レジー・ルーカス右スピーカーから聴こえてくるバッキング・ギターに耳がいきます。これがこのバンドのリズムの核とマイルスは語っています。歯切れよく気持ちいいバッキングです。

小川隆夫さん『マイルス・デイヴィス大事典』でこの曲のソニー・フォーチュンのアルト・サックスを『ジャズの範疇を出ておらず、そこが中途半端』と評価しておられます。全然気づきませんでしたが、まあ、言われてみたらですが、今までもうまったく隙のないアルバムと思ってきたので、よくわかりませんでした。

マイケル・ヘンダーソン(elb)の太い音と、後半のチョッパー奏法がビンビンに腹に効いてきますね。そこにのるソプラノ・サックスの音色が、やっぱり電化マイルスの一つの真骨頂のサウンドだと思いますね。エムトゥーメのパーカッションも然り。

Mayisha を聴く・・・

アナログLP版でいうと、1枚目のB面にあたる1曲。マイルスの当時の彼女さんに捧げたタイトルです。なんと優しい曲でしょう。

児山紀芳さんの、ご紹介したライナー・ノーツにあるとおり、この感じは別にそれまでの疾走感や激しいリズムから、方向転換したわけではないそうです。

この優しいメロディやバッキング、ボッサにのってくる、ピート・コージーの一見、不一致ではないかというノイジーなギターの音ですが、このノイズが僕には心地よく聴こえてくるんです(このノイズはピートでいいですよね?)。

これも今まで時系列にマイルスのアルバムを聴いてきて、さらにライナー・ノーツや書籍を熟読したからこそ、このノイズにしびれるようになったような気がします。

今までだったら、絶対このフレンドリーなサウンドに、ただうっとりして終わりだったと思うからです。ピートはやっぱり、すごいギタリストだなあと感動します。

そしてソニー・フォーチュンのフルートも、こんなにエレクトリック・サウンドにあうのが不思議なくらい・・・。

本来、フルートはクラシックの楽器という概念にとらわれていた自分でしたので、本当に聴き方が変化したと気づきます。

で、マイルスのワウ・トランペット・・・「ワオ!」とわずかにですが聴こえる、メンバーの誰かの声・・・(エムトゥーメ?)含めて、これがこのライブを彩っています。

DALI社Zensor‐1のウーハー部

Interlude/Theme From Jack Johnson を聴く・・・

実際は『ジャック・ジョンソン~イーフェ~フォー・デイヴといったところでしょうか・・・メドレーです。

『インタールード』『間奏』の意味ですね。

そして、変則的リズムに心おどって、ノイジーなピートの荒れ狂うギターからの~・・・みんな大好き『ジャック・ジョンソン』のシャッフル・リズムへ・・・。

ライナー・ノーツに記載のとおり、マイルスが『ジャック・ジョンソン!』指示を出してメドレーされていきます(実際にCDには聴こえないようですが)。

前回のブログで取り上げた熊谷美広さんのライナー・ノーツの要約でご紹介した『ソー・ホワット』

16分過ぎからのマイケル・ヘンダーソンのウォーキング・ベース~16分40秒あたりからあのメイン・テーマのメロディですよ!レジー・ルーカスのギターがそれにあわせて反応していると熊谷さんは解説されています。

マイケルがテーマも弾き始める前に、既にレジー・ルーカスのギターが先にレスポンス部分を弾いているようにも聴こえます。ある程度準備されていたのでしょうか?

そしてこのときのマイルスはどんな表情をしたのかなあ?僕は単細胞ですので、この『ソー・ホワット』のサービスにはご満悦です(^○^)。やっぱり『ソー・ホワット』、好きなんですよねぇ~。

その前のリラックスした雰囲気の4ビートのウォーキング・ベースとギターのバッキングにのって、マイルスも自由に吹く感じも素敵です。

佳境はマイルスがステージを降りて、メンバーが演奏を続けるところで、時間の関係でアナログLPではフェード・アウトされていく部分。これはシュトックハウゼンを彷彿とさせる最後の聴きどころ・・・。

マイルスがいなくても『マイルスのサウンド』なのかどうか、僕にはまだこれだけ聴いても完璧には理解できていないようですが、少なくとも・・・以前聴いていいたより、かっこいい!!とは自信を持っていえるようになっている自分に気づきます。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

シュトックハウゼンは、ドイツの現代音楽家の一人。非常に独特で一般的な音楽の概念を超越した作風です。まずはYouTubeなどで聴いてみましょう・・・。

中山康樹さん【マイルスを聴け!Version7】では・・・

世間一般には『アガルタ』『パンゲア』より上として語られることが多いと言われます。

が、中山康樹さん『マイルスを聴け!Version7』で本作の解説に逆を(つまり『パンゲア』が上)と語っておられます。なんと中山さんはこの日のライブの最前列、ど真ん中に座っていたというのです!!

それは肌身に感じた感想なので、人それぞれの感じ方の違いはあれど、信憑性は高そうです。

昼の部はまだマイルスもメンバーも『全開とまでは至ってなかった』とのことです。

筆者<br>かなやま
筆者
かなやま

ええ~!?コッ・・・コレでも全開でなかったのですかぁ~~~~!?( ;∀;)

1時間半後のインターバルでの『パンゲア』夜公演では、中山さん『押しつぶされるんじゃないかと恐怖すら感じた』そうです。

そんな『パンゲア』は次回、当ブログでも取り上げさせていただきます。

全般をとおして・・・

ここまで繰り返し聴いてきて、さらに聴きなおし、書籍やライナー・ノーツを読み直し、聴こえなかった音や、スルーしていた解説に目と耳を傾け、こうして発信していくことで、今までの『アガルタ』ではなくなったなと気づきます。

本当に気づきの多いここ数日の『アガルタ』研究でした。

で、これをすべてのひとに理解してもらうのは、ものすごく難しいことだと思います。

少しずつ、どうにかして、一人でも多くのかたに、この時期のマイルスを聴いてほしいと思いますが、残念なことに、一朝一夕に聴けるようになるこの時期のライブ・アルバムだとは思えません。

私見ですが、やっぱり、この頃のマイルスは理解できない・・・と悩む時期を乗り越えて聴こえる音が絶対にあると思うのです。

ただ、気持ちがいい。好きだ。そんな気持ちが少しでもあるなら、ぜひ日々のミュージック・ライフにこのアルバムと次作『パンゲア』は入れていきたいし、皆さまにも入れていただきたいと思うわけです。

インシュレーターは結局、
付属のシリコン(ゴム?)脚に戻った。
ヴィンテージのローボードと一番相性がいい。

3回に渡ってつらつらと書いて参りましたが、最後は中山康樹さん『ジャズはドバ~ッ!!』でいいで結んでしまおうかと思います。

するとなんでもよくまとまって終わるのですよね・・・w。

そしたらすべてのライナー・ノーツや書籍は不要になってしまいますけどね・・・w。

それでは、これから『パンゲア』『ドバ~ッ!!』に耳を傾けることにします!!

3回にも渡り、お読みいただきまして、誠にありがとうございます!!

<(_ _)>

 

 

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